
かつては群馬県一の賑わいを見せていた高崎中央銀座商店街。その一画に映画館オリオン座が誕生したのは大正15年(1926年)だ。2003年に廃館し解体作業が始まったが、あることが判明し中断している。今回その謎が明らかになる。

朝五時、巨大映画館の裏手。

ギギィィィ~

扉の中に扉。

そこは紛れもなく映画館だった。

取り払われた椅子達の向こうに穴が二つ見える。昔は二台の映写機を同時に使い、巧みに切り替えしながら放映したという。


映写室には、何もない。

映画館というと個人的に昔見た映画「ニュー・シネマパラダイス」のイメージがある。映画技師は放映中は忙しさで、休む間もなく汗を流したという。

壁のシネメカニカの大きなステッカーが何ともお洒落。国産ではなくイタリア製の映写機を使っていたのだろうか。

二階の広いロビー。

スナックの看板。

裏には大穴。注意だ。

三階へ。

次回ロードショウ!最近は電子掲示板が多くなった。逆にアナログに目新しさを感じる。

ピアノが暇をもて余している。


遊戯王。


三階には小さめの映画室が二つあった。ここの施設は別名「オリオン1-2-3」シアタールームに番号を振っていたようだ。

そろそろ戻ろう。明るくなってきたし、長居は無用だ。

最初のシアター。

おやっ、何かが上映中かしら。

それは、新しい一日の幕開けだった。

オリオン座の全体写真。迫力があるにゃん。

ここで、散歩をしている80歳のご婦人と立ち話になった。女性が高校生の時、この通りは凄い賑わいで映画館の前は人だかりが出来ていたという。懐かしそうに話してくれた。

解体作業が始まったのは、十年程前で今は中断されている。解体自体はダイナマイトで簡単に出来るそうだが、この映画館には厄介なものがあったのだ。それは映画館の下に○○があるのだ。それを解決させることも加味すると建設費用は2億を越えるらしい…。

聞いた時には、何ともイメージがわかなかった。真相をこの目で確かめる事にした。

ズンズン進む。そして、遂にそれは姿を現した。
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川である!!!なんと川の通り道であったのだ。この流れを変えるのが、難儀この上ないらしい。自然の力は凄い。でもこのお陰で映画館は守られている。オリオン座「これからも、頼むぜ」川「おう、任せとけ」そんな会話が聞こえてきそうだ。

帰り道はご婦人に勧められた柳川通りを歩いた。風情あるスナックが軒を連ねる。「オリオン座が無くなったら、とっても寂しいわ」とご婦人は言っていた。一人でもそう思ってくれる人がいる限り、オリオン座には頑張ってほしいなと思った。

猫も頑張っている。

エリック・クラプトンも。

こちらの映画館は現役だ。高崎のアーケードには昭和の情緒がまだまだ残っている。当時の息遣いがまだまだ感じられる。
コメント
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Special thanks!!☺️
Happy everyday!