豊根発電所(後編)

別世界とも言える地下空間に別れを告げる。
今度はトンでもない急斜面を登り始める。油断するとおむすびころりんのように、落ちかねない。
振り返る

見事な桜だ。時は確実に循環する。
さらに登って小休止。
なかなかの眺めだ。
てっぺんまでもうすぐ。
最後に赤錆びた階段を伝って登頂。
現役の頃は関係者もここまで急斜面を登って来たのだろうか。
上の写真…登って右手からの構図
下の写真…登って左手〃
ちょうどT字路のように、両側からの水が合流し、下っていく構造だった。
鳥居のように遺構は続く。
少し登ってみよう。
均整のとれたものは美しい。コンクリートはれっきとした人工物であるが、不思議と自然の中に溶け込む。
パイプの通っていた穴。
丸が二つあると、顔に見えて仕方がない。
チラッ
時に振り返る。

そして
ついに
ラスボスに
辿り着いた~!
どぉ~ん!!
一瞬風が吹いた。
葉っぱが頭上から花吹雪のように、パラパラと降ってきた。幻想的な風景に汗がスッと引いてゆく。
「天空の城ラピュタ」の巨神兵のようなお顔。
映画よろしく動くこともなく静かに眠り続けている。
周辺には他にも下りのパイプが多数。
根発電所(廃墟)にも電力を供給していたらしい。
あの奥のトンネルは行き止まりだった。
巨神兵の頭上から下界を眺めるぞ。



ここは未来永劫、解体されることは無いかもしれない。ならば雄大な自然がそれを飲み込んでいくのみ。
人類の歴史を儚い幻想に変えてゆく。

Departure

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