
帝釈天の洋館は広島県神石高原町帝釈川ダム湖の崖の上に位置する。車を停めてここからスタートだ。

道は序盤は杉林で下草が薄く、アップダウンも少ない。

道に迷わないかどうかが鍵となる。

とにかく頼りになるのは電線。洋館に引かれていた電線を辿っていけば道迷いのリスクも少ない…はず。

半島の先端からは非常に急峻な地形になる。電線も途切れ、無駄に急斜面を降りるなど、無駄に彷徨ってしまい、無駄に時間と体力を消耗してしまった。早めのスタートで本当に正解だった。


この下りキツイ。

暫くこんな感じで下ってゆく、否、落ちてゆく…。※ここは帰りの上りが大変。道が分からなくなるほどの激斜面。
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見えてきた〜!!この時は感動というより安堵の方が大きかった…。


特徴のある八角形のドーム屋根。2階建ての洋館風建物と和風の木造平屋建てが一体化した建築である。



だいぶ朽ちているが、意匠を凝らした造りだ。右手の押し入れには布団が積み重なる。

襖の裏張りには、大正期の新聞紙が使われていた。戦前に建設された別荘だと聞いているが、間違いなさそうだ。

因みに、この建物は落ち着かない。断崖に建てられているので高所感が半端ないのだ。

自分なら落ち着いて寝られない。ここに住んでいた方は酔狂でござる。

残された家電。テレビもコテンってなってる。

来る途中、遊覧船が湖面を移動しているのが見えた。向こうからもドーム状の屋根は目視出来るらしい。

ではメインの洋館風建物へ。
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一階は、物置のような佇まい。

瓶。

古い古い食器たち。

天井の大穴から、光が射し込む。

脆弱な階段を登り二階へ…。

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僅かに残る硝子。

もう使われることの無いハンガーフック。

ずっと訪問したかった空間がついに姿をあらわした。感無量だ。因みに天井には蜂の巣(留守)があったので、夏場は危なそうだ。

照明のソケットが垂れ下がる。予定通り日中に辿り着ければ、明るく眩しいロケーションが拝めたかも知れない。

またいつか再訪したい。

家に帰るまでが冒険。ルートを外さないよう、道に迷わないよう、慎重に慎重に帰るのだった。
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