
栃木県矢板市倉掛にある廃隧道。1929年に竣工し、1959年に廃止。その後生活道路のトンネルに転用されていたが、崩落の危険があることから1998年に道路としても廃止されている。

トンネルに至る道はここから下ることになる。存在を知らなければ気付かれないだろう。


生憎の雨で足元がぬかるむ。草木に覆われており、夏場は到達困難だろう。

看板があったがもはや読めない。無視されたようで少し悲しい。

石垣に沿って進む、進む。

低地である坑口前は水が溜まり、ぬかるみとなっている。足が泥だらけだ。夏季は虫や蛇が大量に発生し、別の意味で環境が悪いらしい。
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到着!!正式には「弥五郎坂隧道(弥五郎坂トンネル)」。「矢板の化けトン」等としても紹介されている有名な心霊スポットだ。

縦横の鉄パイプが印象的。以前はトタン板で覆われていて、人一人がやっと通れる隙間があったという状態だったが、現在では写真の通り地元のヤンチャ等により破壊されてウェルカム状態だ。

では行かん。

トンネル特有のひんやり感はここも変わらない。

右手に退避場。ここを車両が走っていた名残の一つ。


内壁は至る所でスプレーで盛大に落書きがされている。

少し進むと…
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行き止まり。短いトンネルだった。

1998年にトンネルが閉鎖された後も、2004年頃までは反対側まで抜けることができたようだが、ある時からこのようにコンクリートで完全に封鎖されてしまったという。

この封鎖された壁にも暴走族の名前等が読み取れる。もう更新されることはなく、色褪せて時の流れを感じさせる。

この壁。アニメに出てくる強いキャラクターなら一撃で突破しそうだが、生身の人間には無理だ。

よし、戻ろう。


トンネルの入口が近づいてきた。この光景はどのトンネルでも毎回見どころの美しいポイントだ。

外から眩しい光が射し込む。生憎の雨は続くが救われた気持ちになる。

雨だからこそ、魑魅魍魎も含めた様々な生物に出くわさなくて済んだのかも知れない。最怖の心霊トンネルは今も静かに余生を送っている。
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