
歩古丹(あゆみこたん)小学校は、北海道増毛町にあった小学校。切り立った崖と海の間のほんの僅かな土地に立つ校舎で、トンでもない斜面を下った先にある。


なかなか急。

草木が行く手を阻む。夏の北海道も侮れない。

空き瓶等の人跡跡がチラホラ。とにかく進む、進む…。
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うおー!見えてきたー!!

植生が凄まじく全体像が掴めないが、ここが正面玄関であることは確かだ。校舎は1965年5月に造られた。ニシン漁を営む集落の子弟が通っていたが、漁の衰退に伴い人口が激減。在籍児童ゼロとなったことから1971年3月31日に閉校。新築から6年足らずでその役目を終えたのだ。


木は朽ち、コンクリートだけが残っている。

化石のようなスイッチ。辛うじて左右に切り替えることは出来た。

自身より背の高い草木が繁茂し、行く手を阻む。こんな廃校なかなか無いぞ。


往時の教室。きっと子供たちの元気な声が響いていた。

数年前までは、屋根の骨組みはギリギリ健在だったという。

隣にも教室。

同じく、数年前までは黒板も残っていたという。今は残骸すら見当たらない。過酷な環境なのだ。


廊下は走ってはいけません。ってか今は走れません。

冬場は周囲に草は殆ど無く、ここから海がはっきり見えるという。俄には信じがたいが、季節により全く違う顔を魅せるのだ。

裏手から下校。残留物が無くとも、感じるものがあれば十分。記憶に残る素敵な廃校だった。

そのまま下って海岸へ。日本海側に面しているので、ハングル文字の漂流物もたまに見つかるという。当時の子どもたちもここで遊んだのだろうか。

見上げると奥にちょこんと校舎が見える。やはり草木があるので視認は難しい。夏、恐るべし。

別ルートから帰途についたのだが、急な崖を何度も登る羽目になり、かなりキツかった。つまり、最っ高の冒険だったのである。
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