
森の火葬場。

1924年に開設された歴史ある火葬場で、2001年3月24日に発生した芸予地震で被災し損傷して以来、不使用となっている。

紛れもなくここは火葬場だった。

納骨碑も草木に埋もれつつある。


火葬炉の裏側。

燃料の入っていただろうドラム缶が置かれている。火葬の際に火力は欠かせない。余談であるが、インドではガンジス川に流す前、お金持ちほど火力の強い火葬が出来ると聞く。

内部へ。
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中央の焼香台に菩薩像。菩薩像の首は折れて膝の上に乗せられたり、その後元の位置に戻されたり右折曲折あったようだ。

そして、これが見たかった。

大八霊柩車。綺麗な状態で残されている。

大八霊柩車とは、大八車に輿こしを乗せた人力の霊柩車。国内で広く普及している宮型霊柩車の原形とも言われている。

実際にどれほど使われたのだろうか。

火葬炉への台車も残っている。

火葬炉は新旧合わせて3基。

最後に周囲を巡ろう。
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奥に見える茶色の煙突が火葬用。全国に残る使われなくなった火葬場は秘匿化されることが多く、ここも例外ではないだろう。

物音一つしない静寂に包まれている。このような場所は、さまざまな問いを投げかけてくる。うまく言語化は出来ないが、生きることに対し少し謙虚な気持ちになれるのだ。
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