長期閉館している資料館に、古い列車が残る。
側には銀杏の実が転がっている。秋も深まる麗らかな昼下がりだ。
旧蒲原鉄道で活躍していた車両「モハ51」
1930年頃に製造された車両らしい。
当時フカフカだった席。美しい朽ち方をしている。
このつり革一つ一つ、どんな人たちがどんな気持ちで握ったのだろう。
備品は当時のままに残る。
手入れをすれば再び動くのだろうか。
戦前から使われていた車両。車内に流れる空気は独特で、時代を超えてタイムスリップしたような気持ちになる。
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
何だか懐かしい。自身の生まれる前時代の代物であるが、きっと何処かで繋がっているのだ。
そばには消防車も残されていた。
当時は大活躍したのかな。
車内は銀杏の実でごった返していた。きっとみんなこのヒーローに乗りたいのだ。
冬はきっと雪化粧。役目を終えてゆっくりと余生を送っている。
これからも長生きしてほしい。またいつか会えますように。
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