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黒潮荘

淡路島の山奥にある廃旅館。オレンジと黄色のランプ傘が、長年の腐食によって垂れ下がり、ポップな空間を作り上げている。

国道脇の廃道をひたすら登る。この騎士が目印だ。

初夏の陽気に誘われて、あちこちで巨大な蜂が発生していた。

気持ち良さそうな縁側。

かつて人々の営みがここにあった。今は静寂…ではなく蜂の音。遠く聞こえるオートバイの音と勘違いし、身構える程だ。

な、なんと。

廃バスではないか。

行き先はきっとメイなのかな。

やっと黒潮荘が見えてきた。この出会えた瞬間の安堵というのも、探索の醍醐味。

黒潮荘は予想より大きな建物だった。この正面の扉は裏口で2階につながる。

ハチャメチャな場所もあるけど。

安らぎも残っている。

2~5階では新しい命が巡っていた。

気持ちの良さそうなベランダが見える。

もっと進みたがったが、何しろ蜂が…。

お風呂場。

そして、屋上へ。ここには限られた者にしか行けない。苦労の上の登頂。

紀淡海峡を望む。海に浮かぶのは友ヶ島、ラピュタの島と呼ばれている。

さぁ、目的の1階フロアーへ。木製ロッカーは待ちくたびれて、くねくねしていた。

美しさに嘆息が止まらなかった。この場所にただ一人、淡路島の片隅にただ一人、自分は立っている。震えた。

正面玄関。時間の流れなど気にすることなく、陽光は降り注いでいる。

おやっ、日本にも野生のパンダがいた。

窓から差し込む陽射しが実に心地よい。パンダも鼻提灯をつくってうたたねしちゃったよ。

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