
1970年代に観光客誘致のために計画された大規模ホテル。展望棟やプール、遊園地や動物園を備えた巨大施設の予定だった。

1975年頃に放置され、廃墟界における重鎮的な存在になったが、その歴史に幕を閉じる。

2019年6月より二億円かけて取り壊し作業が始まったのだ。これは全国ニュースにもなった。寂しいけど、廃墟とはそういうもの。


随所にグラフィティー。


奥までスーっと、長い通路がスーっと続く。

今日は長い一日になりそうだ。


地下があるようだ。


鬼がいた。


白壁がふっくらアーチを描く。凝った造りだ。

なんかいるぞ!
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なんだ、これは…。

自由を奪われているようにも見える。


この絵たちが意味するものは何だろう。


まさに、謎解きゲームの世界。

地上に戻り廊下を進む。雨続きで、足場がぬかるむ。

この先、広いスペースに突き当たる。




何だか、異国の廃墟のようだ。


外は雨が降ったり、止んだり。

役目を終えた廃墟の中で、新しい生命が誕生していた。

自然は逞しい。でも、この営みは一旦リセットされる。ここは更地にされる。

植物は無言を貫いている。そして、辺りは静寂に包まれている。

中城高原ホテルは迷宮のように入り組んでいる。別館へ行ってみよう。

外の小道に架かる橋を越えてゆく。

廃墟探索では足元に常に注意だ。


屈んだスペース…見たな~!!


この階段は、これでもまだ機能している。


階段を降りるとグラフィティーに遭遇だ。サメが今にも迫ってきそう‼

若者の溜まり場にもなりやすかったと聞く。ここは地元では「チャイナタウン」と呼ばれている。

イイことも、ソウデナイことも、40年間蓄積されてきた。


今度は、上へ行こう。



見晴らしの良い高台に立つ。一番奥の展望台が、徐々に近づいて来た。

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太陽を利用したグラフィティー。

「CCTV」は中国の国営テレビ局。閉ざされた報道を揶揄してるのかな…

自由を~!!


あぶない!狙われてるよ‼
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探索時間は大台に乗りつつある。
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この廃墟全体に流れる世界観にすっかり魅了されてしまった。
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展望台の入り口には鳥居。場所が城(グスク)に近いので信仰的な面から建設反対の声もあったという。

展望台は無機質なコンクリート剥き出しであった。

ついに登頂!
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遠くにゴルフのグリーンのような場所が見える。そこがホテルの入り口だ。そこからず~っと登ってきた。今日は映画を一本見終わったような気分だ。

途中見つけた、中城高原ホテルの辞世の句。
「時はうつろい 令和になりて 変わる沖縄 変わる … (なんとか) 」
もうこのホテルはこの世には無いが、記憶の中ではまだまだ鮮明に生き続けている。
※こちらの初期のお写真をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ご一報下さいm(_ _)m
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